大人 の ADHD が昨今注目を集めているようです。大人のADHDは、大人になってからADHDを発症したのではなく、子供のころADHDを見逃されていた(診断名自体がなかった)人々です。
また、幼少期にはADHDの症状がみられなかった場合にはADHDではなく別の疾患を疑うべきです。
大人のADHD~診断が遅れた理由~
大人になってADHD?
なぜ、大人になってからADHDと診断されるのか不思議に思う人も多くいるかと思います。
考えられる理由は以下のようになります。
- 症状が見逃された
- 診断名自体がなかった
ADHDの診断名がなかった
ADHDは1902年にその症状は確認されたものの、ADHDとしてDSM-IVに記載されたのは1994年のことです。
ですので、1994年に幼少期ではなかった場合には、診断名自体が付かなかった可能性が高いのです。
1994年以前には「多動症候群」という診断名がありましたが、そもそもADHDの多動症が注目され始めたのが最近のことですので、多動症候群であれ、ADHDであれ、診断自体を下すことのできる医療機関も限られていたと考えることができます。
2019年(現在)、10年まですらADHDの診断を受けるためには、遠方であれ専門医のいる病院へ足を運ばなければなりませんでした。
そのような現実を考えてみると、今の大人世代が子供時代にADHDの診断を受けること自体、よほど近くに専門の医療機関がない限り不可能であったと予測することができます。
もちろん、両親が医療関係者、心理学関係者でしたら、遠方であれ診断を受けることは可能だとは思いますが、一般的には「やんちゃな子」「すこし変わっている子」ですまされ、障害を疑う大人はほぼいなかったとも考えられます。
今、思い出してみれば、「現代であればADHDの診断が付いただろうな。」と、思われる友人が同級生に1人や2人は思い浮かぶ方も多くいるのではないでしょうか。
ADHDの症状を見逃された
ADHDの診断がつかないもう一つの理由として考えられることは、「不注意優勢型」であったことです。
不注意優勢型の場合は、多動は目立たず不注意が目立ちます。
幼少期であれば「おっちょこちょい」「天然」ですまされてしまう症状です。
忘れ物や物忘れという症状はありますが、学力や知能面に問題がありませんので「天然」「不思議ちゃん」と言われ、ひとつのキャラクターとして認知されていたのではないでしょうか。
また多動があったとしても女の子の場合でしたら、行動面での多動ではなく、よく喋るという口の多動があらわれやすいこともあり、多動であっても多動だと思われないケースもあります。
発達障害の場合、学習障害などを併発していた可能性もありますが、知能面での問題がなければ「勉強を怠けている」と、思われADHDやLDは疑われなかったと思われます。
大人のADHD
大人のADHDの場合、幼少期に診断名がまだなかった、ADHDの症状が見過ごされた、そのような場合がほとんどです。
例え、不注意や多動、衝動性というADHDの特性があらわれていたとしても、ひとつの性格として捉えられ、周囲から受け入れられていたため、生きづらさは感じていたものの問題なく幼少期を過ごしてきた方がほとんどでしょう。
学習面においても、過集中のため成績優秀な方が多くいたことも、障害のわかりづらさの要因となったと考えることができます。
逆にいえば、周囲から受け入れられない子や、学習障害を抱えていた子は、不登校になっていた可能性があります。
ですので、生きづらさを感じながらも不登校になることもなく幼少期を終えることのできた方々が、大人になり何らかの事柄に「つまづき」、ADHDの診断を受けたと考えることが妥当なのではないでしょうか。
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大人になってADHD?
ADHDの診断名がなかった
ADHDの症状を見逃された
大人のADHD