発達 障害 の 子供 は臨機応変や状況判断といったことが苦手ですが、年齢が上がるにつれて臨機応変な対応をすることが求められます。
では、なぜ発達障害の子供は臨機応変な行動を取ることや状況判断ができないのでしょうか。
発達障害の子供は臨機応変が苦手②
発達障害の子供の状況判断
「発達障害の子供は臨機応変が苦手」でもお伝えした通り、発達障害の子供は一度覚えた手順やルールに忠実です。
それゆえ、状況判断ということができません。
例えば、「お話は小さな声でね」、「危ないから走らないでね。」と保育園や幼稚園の頃教われば小学生になってもしっかりそのルールを守る子供も多くいます。
ですが、小学校も3、4年になれば、「大きな声を出しなさい。」、「走れ。やる気がないのか。」と言われてしまう場面もあります。
定型発達の人からみれば、状況に応じて「小さな声で話さなければならないのか、それとも大きな声で話さなければならないのか」はすぐに判断がつきます。
ですが、発達障害の子供にはその判断がつきません。
お友達と話すときは「3の声」、教室での発表は「5の声」、学芸会の劇は「10の声」、スポーツの試合や練習中は「10の声」、スポーツでも個人的に教え合うときは「3の声」。
このように細分化すれば覚えられるのかもしれませんが、それを使いこなすことはできません。
「普段のお話は3の声」、「人前で話すときは5の声」、「スポーツの時は10の声」、この3パターンくらいは覚えられますが、すごく意識をしないと使いわけることはできません。
ですので多少の声掛けが必要になります。
また、歩くのか、走るのか、この状況判断もとても難しいものがあります。
例えば、スポーツやっていると礼節に厳しいということがあります。
その場合、「集合」と声をかけられたら走る、練習中も走る、先生へのご挨拶も走っていくと教えることができます。
もし、ここで歩いてしまえば、厳しい先生によっては「やる気がないのか!」と叱る先生もいます。
ですが、発達障害の子供達は「やる気はあるのに、どうしてそんなことを言うの?」となってしまいます。
「歩いているからやる気がないように見えるんだよ。」と、言うことを教えても、「走ったらいけないというルールを習ったのに、嘘を教えられたの?」と、疑問に思うわけです。
そして新しく先生に声をかけられたら走っていくということを学習するわけですが、今度はそれを教室でやってしまい「走らない!」と叱られるという切ない結末になることもあります。
では、ここで「教室と廊下は走らない」「校庭と体育館は走っていい」「道路は走ったらダメ」と教えたとしても、教室や廊下も状況によっては走らないといけないこともあり、体育館や校庭も状況によっては歩かないといけないこともあります。
同様に道路も普段は走っていけませんが、遅れそうな時、もしくは不審者がいる時には走ってもらわないとこまります。
では、このような状況判断が発達障害の子供にはできるのかと問われれば、難しいものがあります。
もちろん、年齢があがるに連れできるようになりますが、小学校の間は定型発達のお子さんのように、言わなくてもできるということはありません。
ですので、ひとつひとつ状況に応じてマニュアル的に習得していくしかありません。
ここで難しいことは、すべての状況を教えきることができない点、そして最終的には周囲の行動を模倣するため、他の子供が間違っていれば同じように間違ったことを習得してしまう点です。
ですので、いろいろな場所でさまざまな体験をさせ、その都度親が説明し習得させていく必要があります。
周囲の大人は、子供がちいさいうちは理解を示してくれますが、知的な問題もなく一見大きなトラブルも起こさないタイプの発達障害のお子さんですと、定型発達の子供と同じように扱われてしまいます。
できないことに対しても、抽象的な言葉を使い注意をするようになります。
もちろん、理解を示し、わかりやすいように説明をしてくれる大人もいますが、子供が成長するに連れ外との関わりも増えるためか、そういった理解ある大人ばかりではなくなります。
考えかたの違い
保育園や幼稚園の頃は、周りに親切にしなさい、できない子がいれば教えてあげなさい、と心優しく育てられますが、小学校、中学校になるに連れ競争社会になっていきます。
この変化も発達障害の子供にとっては理解の難しい点です。
「小さい頃は間違っていたら教えてあげて。」と教わりますが、小学校になれば「間違っているからと教えたら大変なことになります。」
相手が子供ならまだしも、相手が大人な場合ですと非礼になる場合もあります。
「わからないことがあれば聞きなさい。」と教わりますが、実際に質問すれば「自分で考えて」と返ってくる場合もありますし、人によっては聞くこと自体が失礼に値する場合もあります。
発達障害の子供たちは人の言っていることを素直な心で受け止めます。「わからなければ聞いてください。」と、言われれば素直にわからないから質問をします。
まさかその言葉の裏に「聞くことが非礼になる相手がいる」というようなことは想像すらしていません。
「わからなければ聞いてください、と言われたから聞いたら叱られた」と、なれば「あの人、変。」という解釈になります。
「あの人、変」という解釈よりも怖いことは、人間不信になることです。
「自分で考えて」という返答も同様、そう言われても何をどう考えてよいかわからず結局わからないまま放置してしまい、さらに怒られるということになります。
この場合も、発達障害の子供の場合は「聞いたけど、答えてくれなかったのに、どうして怒るの?」となります。
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発達障害の子供は臨機応変が苦手②
発達障害の子供の状況判断
考えかたの違い