発達障害には 二 次 障害 というものがあります。二次障害とは環境により併発されるものです。
引きこもりやうつ病、強迫神経症、不安障害、適応障害、パニック障害など多岐にわたります。
それでは、なぜ二次障害は引き起こされるのでしょうか。
発達障害の二次障害って何?つまずきの原因とは?
二次障害を起こさないよう親が気を付けていること
発達障害の子供を持つ親御さんにとって最もおそろしいことは子供が将来二次障害を併発することです。
そのため早期療育に取り組み、子供がなるべく早く社会に適応する力を身に付けようと頑張ります。
療育のためには療育にかかる費用だけでなく、膨大な時間も必要となります。
疲れてしまうことも、悲しくなることもたくさんありますが、それでも長い年月をかけコツコツと子どもと二人三脚少しずつできることを増やしながら頑張るのです。
二次障害を引き起こさないよう、自己肯定感を高めるため、できるようになったことがあれば子供と一緒に大喜びをして、できないことがあれば、どうしたらできるようになるのか子どもと一緒に考え工夫をします。
そうやって家族で協力しながら、社会に適応できるように、二次障害を引き起こさないように丁寧に丁寧に育児をし毎日を過ごしています。
ですが、子供達は保育園や幼稚園、小学校とお家の外にでる機会が増えてゆきます。
それ自体はよいことなのですが、そこでの環境により二次障害を引き起こしてしまうこともあります。
いじめ(仲間はずれ)
とても悲しいことですが、発達障害の子ども達は「人と少し違う」というだけで「いじめ」にあう子どもが多いです。
特に女の子は大人びているためか、発達障害の女の子を仲間はずれにする子もいます。
女の子同士の仲間はずれは保育園や幼稚園からはじまることもあり、不登園の原因にもなることもあります。
ですので、お子さんが女の子の場合は、まだ幼稚園だから大丈夫なのではなく、小さいころからよく観察する必要があります。
お子さんが男の子の場合でも年長さんくらいからコミュニケーションの問題でいじめに合う可能性がありますので、年長さんや小学校入学くらいからはよく観察する必要があります。
幼稚園や小学校に行きたくない素振りをみせた場合には、よく話しを聞き対策を考えなければなりません。
幼稚園や小学校低学年ですと、まだ上手く言いたいことが言語化できていない可能性がありますので、子供自身が学校の先生に相談できないことがほとんどです。
言いたいことが上手く伝えられないからこそ、お家ではゆっくりと話しを聞く必要があります。
今、何が起きていて、そのためにどのような事に困っているのか、どのような気持ちでいるのか聞く必要があります。
その上で、それでも登園・登校させるのか、もしくは先生方と話し合いの場を持つのか決めなければなりません。
子供が仲間外れやいじめを受けているのを知っているにも関わらず、登園・登校を促せば子供は辛い想いだけをすることになり二次障害を引き起こします。
将来、引きこもりやうつ病、PTSDを併発する可能性も否めません。
幼稚園や小学校低学年では、子供同士で問題を解決させることは非常に難しいです。
特に発達障害の子どもは、うまく言いたいことが伝えられない傾向にありますので、多少の大人の介入が必要となることは仕方のないことです。
幼稚園や学校にすべてを任せてしまうと、発達障害の子どもは先生にも言いたいことが上手く伝えられませんので、見当違いな方向に話しがすすんでしまうこともあり得ます。
ですので、幼稚園や学校任せにするのではなく、我が子の話しは親が耳を傾けるようにしましょう。
執拗な注意
現代の発達障害の子ども達の多くは早期療育を受けています。早期療育を受けた子供たちは、受けなかった子供達よりも問題行動はすくない傾向にあります。
また、早期療育を受け、さらに普通級に所属している子供ですと一見発達障害だとはわからない子供達もたくさんいます。
学校生活も定型発達の子どもと変わりなく過ごしている子供も多いです。
ですが、やはり「忘れ物が多い」「整理整頓が苦手」「授業中の手遊び」というような小さな問題は起こります。
人に迷惑をかけるような大きな問題は起こしませんが、先生から注意をされる小さな問題が多く起こります。
学習面で問題がなくとも、問題の読み間違いでケアレスミスが起きることもありますし、漢字も読み方が同じ漢字ですと、どちらを使うのか区別がつかないこともあります。
ですので、学校生活も学習面も些細なことで注意される傾向にあります。
発達障害の子ども達が定型発達の子ども達と同じように集団生活を送っていること自体、とても頑張っているのですが、それは学校の先生方には伝わらないことが多いです。
そして、定型発達の子どもと同じように扱われてしまいます。
発達障害の子どもからすれば、「どんなに頑張っても、注意ばかりされる。もう、何を頑張っていいのかわからない。何がよくて、何がダメなのかわからない。頑張っても意味なんてない。」と、徐々に諦めていくようになります。
先生方は良かれと思って事細かに注意をしたのでしょうが、その結果自己肯定感が下がり、学校に行くことさえ辛くなっていきます。
この状態になってしまうと、親としては何のために早期療育を受けたのだろうか、何のために二次障害を引き起こさないよう丁寧に育児をしてきたのだろうか、と心の底から悲しみでいっぱいになります。
つづく
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まとめ
発達障害の二次障害って何?つまずきの原因とは①?
二次障害を起こさないよう親が気を付けていること
いじめ(仲間はずれ)
執拗な注意