二 次 障害には発達障害の特性よりも厳しい症状があります。
何をしてもうまくできない、という不安や、PTSDによるフラッシュバックで突然泣いてしまうなど、本人だけではなく周囲もどうしたらよいのかわからなくなってしまうような症状です。
発達障害の子供が二次障害に苦しまないように親ができることは2つあります。
発達障害の子供を二次障害で苦しませないための2つの方法
叱られ過ぎることからの二次障害
まず、なぜ二次障害になるのでしょうか。
二次障害には2つの大きな理由が考えられます。
一つ目は、周囲の大人からの叱責です。発達障害の子供は、定型発達の子供のように自然と年齢相応のことができるようにはなりません。
座っている、静かにしていることができるようになるだけでも時間がかかり、すこし大きくなると時間を守る、提出物をだす、忘れ物をしない、ケアレスミスをしない、という年齢相応にできるようになることが工夫をしない限りできるようにはなりません。
そのことを注意しても「こだわり」や「コミュニケーションの欠如」があるため、大人の話を聞かない、聞いてもこちらの話している意味が伝わらないなど、さらに大人を怒らせてしまいます。
このように大人から叱られる機会が定型発達の子供よりも何倍も多いため、自己肯定感ややる気が下がってしまいます。
結果、「どうせ、やってもできないもん。」と、いうようなマイナスの感情に押し流されてしまいます。
いじめからの二次障害
2つ目の理由は幼少期からのいじめです。発達障害の子供は定型発達の子供は遊び方も人との接し方も違います。
そのため、早い子だと保育園や幼稚園の頃からいじめにあっています。
小学校で心機一転できるとよいのですが、小学校でもいじめにあってしまうと、社会に対して不安を抱くようになります。
その辛かった経験は、大人になってもフラッシュバックとしてあらわれます。
大人になっても、その時の状況を何かのタイミングで思い出し、突然昔の話をし、泣いてしまうパニック状態に陥ることもあります。
二次障害からの心の病
発達障害の二次障害としてうつ病や不安障害がありますが、その障害からさらに不適応障害やパニック障害、統合失調症につながる恐れもあります。
その状態になってしまうと、社会生活も困難を極めます。
成功体験を経験させる
発達障害の子供の場合、どうしても定型発達の子供よりも怒られることが多く、自己肯定感が下がりがちです。ですので、成功体験を経験させましょう。
- スモールステップをたくさん作り、成功体験を積ませる
- 上手にできなくても工夫を積み重ねできるようにさせる
- 簡単なお手伝いを用意し、褒められることをつくる
- 「役割」をあげ、自分も家族の一員として役に立っているという自覚をもたせる
このなかでも、簡単なお手伝いを用意する、小さな役割をあたえる(例えば玄関から新聞を持ってくるなど)ことは簡単にできることではないでしょうか。
このことにより、自分も家族の一員として役に立っていると自分自身を認めることができます。
「ありがとう」という言葉は自己肯定感を高める言葉です。
就園した頃から、スモールステップをつくり、工夫すればできるという自信をつけさせるようにしましょう。
逃げ場をつくる
保育園や幼稚園、学校でうまくいっていない場合、他に自分の居場所を作ることは大切です。
園や学校を社会のすべてにしてはいけません。園や学校でうまくいかなくても、他の場所でうまくいけば、社会に対する恐怖心は和らぎます。
また、自分を受け入れてくれる居場所をみつけることは、自分自身を肯定する力にもつながります。
例えば、習い事では人間関係がうまくいっているのなら習い事が子供にとっての逃げ場になります。同じ発達障害児同士のグループがあるのなら、そこへの参加も良いかもしれません。
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まとめ
発達障害の子供を二次障害で苦しませないための2つの方法
叱られ過ぎることからの二次障害
いじめからの二次障害
二次障害からの心の病
成功体験を経験させる
逃げ場をつくる