発達障害の子供には 感覚 過敏 と感覚鈍麻が混在することがあります。
朝、洋服のタグがチクチクする、靴下やズボンの緩みが落ち着かない。これらの理由により、朝なかなかお家をでられないお子さんもいるかもしれません。
一般的にワガママだと思われがちな感覚過敏ですが、感覚過敏は本当にただのワガママなのでしょうか。
感覚過敏はわがままではありません!①
感覚過敏とは
感覚過敏には、下記のようなものがあります。
- 聴覚過敏
- 触覚過敏
- 視覚過敏
- 嗅覚過敏
- 味覚過敏
聴覚過敏
聴覚過敏とは、人の話し声や雑音、パトカーや救急車の音などすべての音が耳に入ってしまうため、必要な情報を聞き取ることができない、会話がうまくできない、授業に集中できない、ということがあらわれます。
定型発達のように必要な音とそうでない音を選別して聞き取ることができないため不快感を感じてしまいます。
触覚過敏
触覚過敏とは、抱っこをされたり、頭をなぜられたりする感覚を痛みとして感じてしまうことです。
それ以外にも、耳かきを異常に痛がる、爪切りを嫌がる、服を着せても裸になってしまう、靴下や靴を脱いでしまう、砂遊びを嫌がる、シャワーを嫌がる、帽子やマスクを嫌がるなどの症状もみられます。
これらの症状も同様、触覚が過敏なため不快感を感じています。
視覚過敏
視覚過敏とは、太陽や照明の光を異常に嫌がる、文字が正しく認識できないなどが症状としてあらわれます。
嗅覚過敏
嗅覚過敏は匂いに敏感に反応します。柔軟剤の匂いを嫌がる、石鹸や化粧品の匂いを嫌がる、お手洗いの匂いを嫌がる、特定の食べ物の匂いを嫌がるという症状があらわれます。
味覚過敏
味覚過敏は、食感や味に敏感ですので偏食になりがちです。同じ食材でも調理方法や味付けにより食べられるときと食べられないときがあります。
また食品メーカーが変わると食べられなくなることもあります。
ワガママだと思われがちな感覚過敏
感覚過敏は、一般的にワガママだと捉えられます。
とくに食べ物はわかりやすいのですが、同じ食材でも調理法や味付けによって食べられるので、ただのワガママだと捉えられてしまうことが多いです。
例えば、ママが作ったポテトサラダは食べられるけど、おばあちゃんが作ったポテトサラダは食べられない。〇〇食品のカレーは食べられるけど、△△食品のカレーは食べられない、ということです。
微妙な味の変化で食べられないのですが、周囲の大人からは「ただのワガママ」とされ、無理やり食べさせられてしまうこともあります。
ですが、口に入れても飲み込めないので、さらにワガママだと叱られてしまいます。
偏食でも成長に応じて食べられるものが増えればいいのですが、そうではない場合は学校の給食が困難になる可能性があります。
例えば、ニンジンが食べられないというような特定的なものでしたら、ムリをさせないように先生にお願いすることもできますが、味付けや調理法によって食べられる時があるので、なかなか先生の理解を得ることが難しくなります。
また、聴覚過敏に対しても普段は嫌がる音でも、過集中のときは聞こえないということが起こります。
過集中のときには、いくら呼びかけても聞こえないのに聴覚過敏であるということも、なかなか理解していただけません。
触覚過敏も同様、服や靴下、靴を嫌がり、お着替えに時間がかかるということもなかなか理解してはいただけません。
こちらも、着られる服は問題なく着られるので、ただのワガママだと捉えられがちです。
また、感覚鈍麻があり痛みに鈍感な子供の場合は、痛みに鈍感なのに洋服には敏感という状況を理解していただくことは、大変困難です。
このように発達障害の感覚過敏は、ただのワガママとして捉えられることが多いのです。
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まとめ
感覚過敏はわがままではありません!①
感覚過敏とは
ワガママだと思われがちな感覚過敏