発達障害では、よく 得意 な こと と苦手なこととのアンバランスが顕著にあらわれるといいます。
得意なことを伸ばして将来につなげようというような言葉を、発達障害の子育てではよく言われます。
ですが、得意なことを伸ばす子育ては、発達障害児だけでなく定型発達の子供でも同じなのではないでしょうか。
得意なことが伸びる発達障害児の3つの理由
得意なことを伸ばしてあげたい気持ちは同じ
得意なことを伸ばしてあげたいという親の気持ちは子供が定型発達だろうが、発達障害だろうがかわりません。
ただ定型発達と発達障害の子供の違いは、好きなことに対する執念と集中力、そして時間です。
好きなことに対しては過集中になりますので、何時間でも続けられます。わからないことはどんどん調べますし、運動系なら「できるまでやる」という強いこだわりをみせます。
かつ、ショートスリーパーな子も多いので、人よりも起きている時間が長いです。
ショートスリーパーゆえに得意になる
人間の睡眠時間を8時間とすると、定型発達の大人は16時間起きています。
発達障害の大人の場合を4時間睡眠とすると、1日20時間起きています。
これをひと月に換算すると、
定型発達 16時間×30日=480時間
発達障害 20時間×30日=600時間
1年に換算すると、
定型発達 16時間×365日=5840時間
発達障害 20時間×365日=7300時間
単純に計算しても1年間で1460時間もショートスリーパーの人たちは多く起きています。
定型発達の子供の場合は10時間睡眠ですので、この差はもっと開くのかもしれません。
ショートスリーパーというのは、短い睡眠でたり、朝寝坊をすることもなく、日中居眠りをすることもない人たちのことです。
睡眠時間が短く、朝起きられず、日中居眠りをするのはショートスリーパーではありませんので、しっかり眠るようにしてください。
また、発達障害のなかには普通よりも長く眠ってしまうタイプの人もいますので、発達障害だからといってショートスリーパーとは限りません。
ショートスリーパーは体質ですので、日常生活に問題がない限りあまり心配しなくてもよい症状です。
ショートスリーパーの場合、単純計算で定型発達の人よりも年間1460時間も長く起きているわけですから、人よりも多くのことができます。
人よりも多くのことができるということは、人よりも物事をやる時間が長く得意につながりやすいということですし、アイデアも多く思いつきます。
定型発達の人と比べ、好きなことに対する集中力が高く、強いこだわりと長い時間があるという点は、発達障害特有の利点なのかもしれません。
得意なことがあっても、平均的にできることが求められる社会
発達障害の子供は、好きなことや得意なことを伸ばしやすい体質というメリットがありますが、それを仕事にしようとおもえばやはり大変です。
例えば、動物のことが大好きで獣医になりたくても、その過程で全教科が平均的にできること、そして学校生活のなかで協調性があること(内申点)が求められます。
いくら動物のことに詳しくても、社会科や国語ができなければ入試を通過することはできません。
また、忘れ物があり内申点が低い場合には高校すら希望する学校を受験できない可能性もあります。
スポーツ系や美術、音楽系はまだ良いのかもしれませんが、一般的に大学を卒業していないと取得できないような資格がある場合、どれだけ得意なことがあっても、そこに行きつくまでの過程が困難な場合もあります。
特に今後入試は記述問題が増えていく傾向にありますので、発達障害の子供たちにとってはかなり反復練習が必要となる可能性もあります。
得意なことを仕事にするためには、平均的に物事ができないと入試を突破できないという関門があるということは、「発達障害の子供は得意なことを伸ばせ」という一般的な意見と矛盾しているようにも感じます。
ですが、矛盾を言っても仕方ありませんので、ここは前向きに好きなことから派生さえ全教科カバーするしかありません。
スポーツ系や音楽、芸術系に才能がある場合は、本人が全教科平均的にできる必要はありませんが、ご家庭の経済力が必要となるかと思います。
好きなことや得意なことをやらせてあげるには、定型発達も発達障害も同じように大変なことなのかもしれませんね。
ですが、得意なことがもし見つかれば、例え仕事につらがらなくても、人とはつながっていくことができるのだと思います。それは、とても素敵なことなのではないでしょうか。
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まとめ
得意なことが伸びる発達障害児の3つの理由
得意なことを伸ばしてあげたい気持ちは同じ
ショートスリーパーゆえに得意になる
得意なことがあっても、平均的にできることが求められる社会